なぜ今、英語教育より「お金教育」に力を入れるべきか

最近の教育トレンドが
「英語」になっていますね。

(2020年から本格的に「英語教育の義務化」も始まりますし)

 

私の周りにも、1〜2歳児の頃から

 
やっぱり、英語を習わせた方がいいのかな……。

って悩んでいる親、めちゃくちゃ多いです。

そして実際、英語教室に通っている子がダントツで多い。
(だいたい、かけ持ちのひとつにすることが多く、英語と水泳、英語とピアノ、英語と公文、といった具合です)

子育て世代へのアンケート調査でも「2人に1人が、0歳から英語をはじめる」という結果が出ているくらいです。

参考:子どもの英語習得に関する意識調査 -子育て世代、最新のトレンド-

 

でも、声を大にして言います。

英語教育よりも優先すべき教育は、「お金教育」です。

 

今回は、上記の理由を力説します。

なんとなくの英語教育より、優先すべきは「お金教育」

もう一度、言います。

英語教育よりも、まず優先すべきは、「お金教育」です。

 

これを言うと、

 
こまるさん
お金は「節約と貯蓄」さえ教えておけば、問題ないでしょ。
英語は、義務教育化もしているし、周りも習ってるから、やっておかないと将来が不安だわ。

ってな答えが返ってきます。

 

でも、これからの時代、
「節約」と「貯蓄」だけでは、お金と正しく付き合っていけません。

理由は、下記です。

お金のスキルがないと、大人になってから苦労する

英語が話せることは、プラスアルファのスキル

2020年に英語が義務教育化完全実施となりますが、その主な目標は「日本人のコミュニケーション力の向上」です。文部科学省の発表内容でも、「コミュニケーション力」というキーワードが160回以上出てきます。

参考:今後の英語教育の改善・充実方策について 報告~グローバル化に対応した英語教育改革の五つの提言~

確かに、英語のリスニングやスピーキングは、子供が小さい頃から始めないと耳が育たないと言いますし、受験に影響してしまうかもと心配する親の気持ちもわかります。

ただ、大人になってから英語を学んでビジネスの世界で活躍している人は大勢いますし、日常生活において「英語が話せなくて困る!」という経験をする方が少ないです。
(海外で暮らしたり、グローバル企業に勤める方は別ですが。。)

「子供を絶対バイリンガルにしたい!」などの高い目標がある方はいいのですが、
あまり深く考えずに

 
周りの友達も、英語を習っているから。

って理由で、教材や教室費用などにかなりのお金をかけて英語教育をしている親を見ると、かけているお金が、将来、本当にかけている費用と同等かそれ以上に効果があるのか、きちんと考える必要よーって思います。
(そして、その費用の20%でもいいから、お金教育にかけた方がいい)。

お金は、生活する上で最低限のスキル

英語がない生活はできても、お金がない生活はできません。
子供が将来、日本で暮らそうが海外で暮らそうが、お金との関わりを断つことはありません。

なぜなら、お金とは、生活する上で欠かせない重要なツールだからです。そして、それを活用する能力は、生活していく上で必要最低限のスキルだと思います。

お金とは、その使い方によって、人を「幸せ」にしたり「不幸」にしたりします。
例えば、将来自分の子供たちが、英語が話せることから他の人より多く稼げる人材になったとしても、お金との正しい付き合い方を知らないと、どれだけ稼いでもお金が流れていき、老後にお金がなくて困るかもしれません。身の丈に合わない住宅ローンを組んで、日々の生活に行き詰ったりする可能性だってあります。

そうした意味においても、なんとなく英語教室に通っているくらいなら、その費用の20%でもいいからお金教育に回してほしいなと思います。

 

お金のことは、学校では教えてくれない

子供を育てて、初めて知る「お金」がある

日本の教育では、基本的に「金融」に関することは教えてくれません。

でも、子供を責任を持って育てようと思うと、嫌でもお金というものと向き合う必要があります。
日々の生活費はもちろんのこと、教育費、住宅費、さまざまな制度、手当てなど……

そして、子供を持ったからこそ、初めて知ったことがたくさんあります。

・大学卒業までに膨大な教育費がいること
・知っている者だけが得をする国の制度があること
・入らなくていいのに入っている保険が、山のようにあること
・住宅費が生活を圧迫すること
・節約だけでは、お金は劇的に増えないこと
・ローリスクでお金を増やす方法があること

(本当はもっともっとあるんですが、とりあえず。)

色んなことをどんどん知っていくたびに、

 
どうして誰も教えてくれなかったの!?
もっと若い頃に知りたかった!
 

と痛烈に思いました。

でも仕方ありません。日本って海外に比べて金融教育がかなり遅れているんです。。
そして、今のうちに自分の子供にお金教育をしておかないと、子供も自分と同じ思いをするな、と危惧しています。

学校の授業で、お金の価値を教えるのは難しい

もし仮に、日本でお金教育が義務化されたとしても「お金教育は、家庭主導でやるべきだ。」と私は思います。

だって、

お金の価値は、使ってみて初めてわかるからです(体感が大事!)。

そう、紙とエンピツだけで理解することは難しい。。たぶん、授業ではわかった気になって、お金を使う時になったら忘れているパターン(笑)です。

お金教育を受けていないのは、無免許運転と一緒

私はよく、お金を使うことを、車の運転に例えます。
お金も車も、座学だけでは結局のところは実態が分からない。路上に出てみて、初めて分かることがたくさんある。何より、自分の運転の仕方ひとつで、自分や同乗者の命を危険にさらす可能性がある、正しく付き合わないと実は「怖い」ものなのです。

私は子供が生まれるまでの10年間、家庭の財布のヒモを握っていました。が、お金の価値や使い方がわかっていなかったので、使い方はそれはそれはひどいもんでした。。

詳しくはまた別記事で書きますが、あのときの私は、無免許運転で交通ルールも知らずに大切な家族を乗せていたのと一緒です。(怖っ)
あのまま走っていたら、間違いなく「老後破産」でした。。

子供の、お金マインドを決めるのは「親」

断言します。

子供に何も教えなければ、
必ず、親と同じお金の使い方をします。

なぜなら、それ以外の方法を知らないから。

人間形成と同じです。
子供の金融リテラシーは、その親の持つものや考え方に大きく影響されるのです。

私も、親と全く同じお金の使い方をしていました。。
(また書きますが、ひどいもんでした。。)

おこづかいは「節約の手法」を教えているだけ

 
ウチは「おこづかい制度」で、
お金の管理方法をきっちり教えているから大丈夫!

って親もいますが、

支出と収入のバランスについて教えるのは、「節約の手法」を教えているだけで、根本的な「お金マインド」を教えるに至っていないと思います。

・お金とは、何のために存在するのか?
・将来、どうすればより多くのお金が稼げるようになるのか?
・お金と経済の関係は、どうなっているのか?

など、

将来、子供がお金を得て、有効に使うための「軸」になることを教えないと、意味が半減します。

また、お金を多く稼ぐことは、大手企業に就職すること、と勘違いしている親が多いのですが、今は、大手企業に勤めても給料が自動的にあがっていく時代ではありません。
世の中には企業に雇われてお金を稼ぐ方法だけでなく、さまざまな方法でお金を得る手段があるということを理解し、それを実践している人間が、「お金マインド」がある人間なのです。

親世代も、専門的なお金教育を受けたことがない

ところが、親世代も当然のことながら、専門的なお金教育を受けたことがありません。

なにせひと昔前は「銀行に預けていたら、勝手にお金増える時代」でしたので、学ばなくてもせっせと働いて節約さえすれば、お金は自動的に貯まっていきました。(給料も年功序列で上がっていたし。)

ですが今の時代にそれでは通用しません。

その結果が「老後破綻」「奨学金地獄」といった社会問題が出てきています。これは、時代が変わっているのに、お金についてきちんと学んでこなかった結果のような気がします。

 

お金が「多様化」してきている

3つめは、お金の多様化が理由です。

ここ数年で、決済まわりのサービスが充実してきています。
それに伴い、日本の「キャッシュレス化」がものすごいスピードで進んでいます。

キャッシュレス決済の種類が多すぎる

日本のキャッシュレス決済……
ちょっと多すぎません?

現在だけで、61種類もあるんです。

参考:キャッシュレス・スマホ決済の一覧、61種類を解説(2019年6月版)

また、キャッシュレス決済を選ぶ上で欠かせない「ポイント還元」も、 複雑すぎてよくわかりませんよね。。
リアル店舗と併用して使うとお得になったり、特定のサイトを使うとお得になったり……。

使う人の生活パターンや性格(面倒くさがりorマメな性格とか)とかも考えて、本当に意味のある使い方をしないともったいないと思います。

複雑すぎて、感覚的に使っている大人が多い

でも、このキャッシュレス決済。
多種多様すぎて、「なんとなく、私にはこれかな…?」と感覚的に選んでいる親が非常に多いです。

 
決済方法がたくさんありすぎて、何が一番かよく分からないから、適当に選んでいるわ……。

でもこれはとても怖いことです。

お金に対する「正しい知識」がないまま「選択」をしていることになります。

現金を使うシーンを見る機会が減っている

キャッシュレスの普及に伴い、今の子供たちは「現金を使うシーン」を見る機会が、格段に減っています。これは手元にあるモノがどんどん減っていくという体験が幼い頃に充分にできないまま大人になるということです。

私も普段、現金をほとんど使いません。
スマホ決済している人も、以前より多く見かけるようになりました。
今は、日本人のキャッシュレス普及率は全体の20%程度ですが、政府の発表で、これも今後シェアが広がっていきます。(時代の流れからいって、減ることはないでしょう)

参考:平成30年4月 キャッシュレス・ビジョン:経済産業省(PDF)

今後ますますお金の多様化が加速する中で、子供に「正しい選択をする力」があるのか、ないのかでは、老後の過ごし方も変わってくると思います。

 

【結論】リターンが大きいのは「お金教育」

英語教育が悪いと言っているわけではありません。
ただ、どちらが子供にとってのリターンが大きいかというと、私は断然「お金教育」だと思います。

資本主義社会を生きていく上で、お金との関係は切っても切れません。

「お金教育」は、一部学校では既に始まっていますが、まだまだ浸透していません。学校では教えてくれないため、お金に関することは、親の教育がすべてになってきます。

今後は、習い事費用の一部を「親がお金の勉強をする費用」に充ててはいかがでしょうか。
そして、親が勉強したことを子供と共有し、一緒に勉強しながら金融スキルを磨いていくことが、今後の時代を生きる上で役に立つと思います。