どんな本?[簡単に説明]
一言で言うと……
お金の教育を通じて、世界で闘うためのスキルが学べる本
です。
著者:酒井レオ
出版社:アスコム
発売日:2019/03/16
世界トップクラスの銀行で、営業成績No.1の銀行マンが書いた本
この本は、世界トップクラスのメガバンクで、史上最年少にして「営業成績1位」を獲得した銀行マンが書いた本です。
そして今は、グローバルビジネス教育の世界で大活躍されています。
要は、世界レベルで活躍されているお金のプロであり、教育のプロが書いた本です。
(著者の経歴は非常に面白いので、本記事の「ここがポイント」で詳しく紹介します)
「お金教育」と「世界最新教育」の2部構成
表紙タイトルには「お金に強い子どもを育てる方法」とありますが、お金教育だけでなく世界最先端の教育方法も紹介されています。
大きく2部構成になっています。
[第2部] 世界で活躍する子供に育てるメソッド
だいたい半分ずつくらいの割合でページがさかれていますが、第一部の後半は「お金」という枠を飛び越えて解説されている部分もあるので、具体的なお金教育は3、世界最新教育が7、くらいの割合に感じました。
お金に強くなければ世界で活躍することは不可能である。というコンセプトから、この割合になっているようです。
今の日本のビジネスパーソンは、超ヤバイ!
酒井レオさんは、世界のビジネスエリートと仕事をする機会が多く、その中で「日本のビジネスパーソンは本気でやばい」と危機感を抱いて、本書の執筆を決意したそうです。
理由は、今の日本人は他の人種に比べて、世界で闘うための基本スキルが圧倒的に劣っている!らしいのです。
日本では名門大学を出てトップエリートとして活躍しているようなビジネスパーソンも、世界の舞台では会議で発言すらできず、端っこでポツン。。
これは英語力の問題ではなく、彼らの多くは小さい頃から座学の勉強しかしてこなかったから、世界のビジネスマンと対等に渡り合える基本スキルが身についていないらしい。のです。
かたや日本以外の先進国、またIT先進国では、教育が日本より一歩も二歩も先をいっているので、このままでは日本は完全に取り残されてしまいます。
プレゼン力や問題解決力はもちろんのこと、ビジネスパーソンに欠かせないスモールトーク力(本題に入る前の会話で相手を惹きつける)でさえも、下手っぴらしいです。
「どうして、あんなに天気の話が好きなの?!」
と海外の人から見たら不思議なようです。
面白くもなんともない天気の話で、ビジネス相手の心は掴めません。
ITの進化で「世界で活躍するスキル」は、今後は必須能力に!
ここまで読んで、
って思った方もいるかもしれません。
でも酒井レオさんいはく、今はそんな悠長なことを言っていられる時代じゃない。そうです。
今やITの進化によって世界の国境はなくなったも同然、私たちの子供が大人になる頃には、国籍を問わず仕事をしなくてはならない時代が来るんです。
(恐ろしい時代になったなぁ、と思いつつ、WEB関係の仕事をしていると、私もそれは肌で感じます)
そんな時代に身につけるべきことを、非常に具体的なメソッドとして紹介してくれています。
私も読んでいて、
ってものが多かったです。
(しかも、そんなにお金をかけるようなメソッドじゃないのでやりやすい笑)
世界活躍できる基本スキルとは?
ちなみに酒井レオさんが言う世界活躍できる基本スキルは、以下です。
①金融力
お金の価値を知っている、お金で世界が回っていることを理解している
(お金に振り回されない生き方ができる力のことです)
②経済力
社会への関心を持つ、お金と経済の関係を理解している
③デジタル力
デジタルに強いこと(コンピュータのソフト、ハード、ネットワーク、AIなどの機能についての横断的な知識など)
④コミュニケーション力
相手が外国人であろうと対等に渡り合える
⑤プレゼン力
自分の意見を的確に伝える力
⑥思考力&問題解決力
目標を達成するための力
これらすべてが総合的に合わさって、お金に強い人間を創るというニュアンスで書かれていました。
自分の力でお金の生み出すということは、経営者になれということではなく、例え企業に属していても、オンリーワンの能力を身につけ、人や環境に振り回されない(お金に振り回されない)生き方をするための基本スキルという意味だと思います。
この本のポイント
読んだその日から、すぐにはじめられる47種類のメソッド
とにかく具体的なメソッドが盛りだくさんです。
全部で47種類もあります。
しかも、読んだその日からすぐに家庭ではじめられるものばかりです。
(そして簡単に取り組めて、お金もかからないものばかり。)
例えば、
・おこずかいはあげない
・子ども部屋の掃除はしない
・子どもの「アレ欲しい」はひとまず無視する
・好きな有名人の収入について徹底的に話をする
・o歳からスマホを使わせる
・よいメンターにはお金を惜しまない
などです。
「おこづかいは、あげて当たり前」という日本人の親の常識を、根本から崩してくれます。
お金を稼ぐこと、お金を与えることの本当の意味を、生活を通して学べる方法が載っています。
一部、子供に部屋代を請求する…などといったユダヤ式のメソッドもあり、日本人には少し馴染まないかもと思う親御さんもいらっしゃるかもしれませんが「こんな方法でお金の感覚を身につけるのか」ととても勉強になります。
(ちなみになぜユダヤ式なのかというと、今、世界トップ企業のリーダーはユダヤ系が多いから)
グローバル教育の分野で活躍している著者
この著者、もともとは世界で活躍したNo.1銀行マンだけど、もうひとつの顔があって、私はそっちの方が興味深かったので紹介します。
正直、最初はタイトルだけ読んで、
ってちょっと疑ってかかっていました。。
でも実は、この著者、
グローバル教育の現場で大活躍されている方なんです。
銀行業界から教育業界へ転身し、2009年から「グローバルスタンダードを獲得したリーダーの育成」を目的としたPYD Japan株式会社という会社を立ち上げ、まさに世界の最先端教育を日本人に提供するサービスをされています。
その切り口は、プログラミングやアート、英語など、多岐にわたります。
要するに、この本は、世界の最先端教育を知りつくした著者が、21世紀の日本人の教育について書いた本なのです。
また、STEAM教育(スティーム教育)や子育てとテクノロジーの関係についても言及してあり、それも興味深かったです。
(これはまた別記事でぜひ紹介したい)
読み終わった後は「お金教育のことを勉強するために本書を読んだのに、世界の最先端の教育方法を学べた!」って思って一石二鳥な気分でした。
どんな人が読むといい?
0歳〜12歳くらいまでのパパママ。
本書には5歳〜12歳までの子供を持つ親を想定していると書かれていますが、0歳〜の子供を持つ親でも、読んで早すぎるということはないです。
お金教育だけでなく、子育てに必要な教育方法がたくさん載っているので、勉強になります。
感想まとめ
個人的な感想としては、お金教育も面白かったけど、それ以外の教育メソッドが興味深かったです。
でも考えてもみれば、小さい頃にスマホに全く触れさせなかったとしても、大人になったら使わないといけないシーンが絶対にでてくる。
それであれば親は禁止するのでなく、デジタル機器とどう付き合っていくのかを教える必要があるんだなと思いました。
子供が夢中になっているのを、どうコントロールするかという親の問題なんだなと認識しました。
そういう、今まで「常識」と思われている子育て方法を、別角度から解説してくれている本です。
色んな教育本を読んだという方でも、ぜひ読んでほしいおすすめの一冊です。