お金教育をする際に「絵本」「児童書」は、とても素晴らしい教材になります。
ストーリーやキャラクターの心情を通して、お金の概念や役割を肌で感じるきっかけにつながります。
今回は、小学校高学年向けの『お金』に関する絵本・児童書を4冊紹介します。
歯みがきつくって億万長者―やさしくわかる経済の話
あらすじ
12歳にして億万長者になった少年のサクセスストーリー。
主人公ルーファスが、歯磨きが高すぎると思い、手作りをしたら、お店で売っている歯磨きよりかなり格安の材料費でできてしまいます。
ものを売るとは?生産力とは?コスト調整とは?など、経済の仕組みがすべて詰まっています。
おすすめの理由
経済大国アメリカで長年読まれている絵本
初版は1972年。米国の子供たちに長く愛され続けているロングセラー本です。
そして日本図書館協会選定。全国学校図書館協議会選定です。
何と言ってもわかりやすい。
小学校高学年ならサクサク読める内容です。
経済の難しい話を、少年の成功ストーリーとともに描かれているので、内容がスッと頭に入ってきます。
活字半分、絵本半分というのも、ちょうどいい。
数字の計算が出てくる
少年が起業して会社を成長させていく途中に、ちょこちょこ数字の計算が出てきます。
労働賃金、コスト計算など、経済を学ぶ上で切り離せない数字。
算数が苦手な子供も、将来こうやって数字と向き合う必要があるんだ…と教えてくれる一冊です。
新装版 続・レモンをお金にかえる法
あらすじ
前作「レモンをお金にかえる法」で、わかりやすく経済学の流れを紹介した続編本。
毎年夏に、子供がおこづかい稼ぎのために売っていたレモネードの原料であるレモンが、不作で値上がりします。そこから次々と起こる値上げの連鎖。
賃金と物価の追いかけっこ。そして最後に景気回復…。
インフレとは?不況とは?どうやって起こるのか?など、難しいと思いがちな経済を、とても簡単なものだと思わせてくれる作品です。
おすすめの理由
わかりやすく「経済とは何か?」を教えてくれる本
ニュースでよく「不況」や「デフレ」って単語が出てきますが、子供に説明しようとしても難しいですよね。今は不況で、お父さんの仕事が大変…って子供に伝えてもピンとこないのを、この一冊読めば解決します(笑)。
レモンが不作になると、その影響で色んな物が値上げしたり、世の中が動く(経済活動)という事を理解するきっかけになると思います。
前作「レモンをお金にかえる法」と合わせて読んでほしい
経済活動を理解するのには、これ一冊では、やや不十分です。
ぜひ前作読んでから、こちらを読むことをおすすめします。
ちなみに前作はこちら↓
フェリックスとお金の秘密
あらすじ
主な登場人物は12歳の子供たち。
彼らが「お金持ち」を目指して、草刈りの仕事を始め、成功するストーリーです。
物品販売、株式投資、商品先物取引、詐欺、損益計算書、貸借対照表など、さまざまな経済用語が出てきます。
単純に物語としてみても楽しい作品です。
おすすめの理由
楽しいストーリーとともに、経済学が学べる!
とにかくストーリーが面白いです。
難しい用語がたくさん出てくるのに、全然説明的じゃありません。
なのに、読んでいるとスッと腹落ちします。(面白いから)
お話を読むことが好きな子供だと、楽しく読んでいるうちに「経済学」がわかってしまった!ってくらいストレスなしで読めると思います。
読めば読むほど引き込まれ、ハラハラ・ドキドキします。
魔法にかかった世界じゅうのお金
あらすじ
主人公は、何でも願いを叶えてくれる妖精へ「世界中のお金が欲しい!」と言った。
すると、世界中のお金が主人公のもとに集まり、主人公は大喜び。
しかし、喜んでいるのは主人公だけ…。お父さんも、町の人たちも、アメリカ大統領も、外国の人たちも、みんな困ったり怒ったりしていた。
「お金」というシステムについて、改めて考えさせられる作品。
おすすめの理由
面白いストーリーとともに「お金とは何か?」について考える
魔法によって、主人公の元にしか集まらなくなってしまったお金。
お金って一箇所に集まっていても意味がない。
人から人の手に渡らないと意味をなさない。
お金として流通して初めて価値が生まれるのだ、という経済活動の根幹をお話を通じてわかります。
必ず、親も一緒に読もう
おこづかい制度を始めるにあたり、子供だけでなく、親も勉強が必要です。
そのためには、子供に本を買い与えて終わりではなく、子供が読んだ本と同じものを、親もぜひ読んでください。
そして、子供のおこづかいの使い方を見ながら、
・どこが理解できていないのか?
・子供のお金に対する知識はどの程度あるのか?
など、子供の金融リテラシーを日々観察することが大切です。
とはいえ、あまり肩ひじ張らずに気軽に取り組んでくださいね。